八百万の神様たち

私たちが日ごろ使っている日用品にもさまざまな神様が宿っている?!

花子ちゃん
花子ちゃん
私たちの暮らしを支える生活道具にも、さまざまな神様が宿っています。気楽な気持ちで捨ててしまうと,イタズラをしに戻って来るかもしれません(θεθ;)

ほうき神様と付喪神様

日用品にもそれぞれにまつわる神様がいます。料理をするときに使う包丁を司るのは、カヤナマビコ。さまざまなものをこの世に生み出したイザナミが火の神様であるカグツチを生んで大やけどを負って病んでいたときに口から吐き出したものから生まれました。

掃除に使うほうきの神様であるほうき神は、チリやホコリを吐き出す動作が赤ちゃんをお腹からすっと送り出すというイメージから掃除の神様というよりも安産の神様として知られています。

長い間、何世代にもわたって使われてきた道具たちには霊魂が宿り、やがて付喪神になります。長い年月を経たという意味で「九十九神」と書く場合もあります。乱暴に扱われた道具たちが恨みを晴らそうと付喪神になって、人々に悪さをしたとか。ですから神様というより、妖怪といったほうがいいのかもしれません…。古くなっても簡単に捨てたりせずに最後まえ大事にしようという教訓を伝えています。

日用品の神様をねぎらう


歳の市

12月の半ばになると「歳の市」があちこちではじまります。手に入るのは注連飾り(シメカザリ)や門松、鏡餅といった正月飾り。また、包丁やまな板、ほうきなどの日用品も店先に並びます。これは、正月飾りに加え、日々の暮らしで使う消耗品を年末に新調するため、歳の市は正月飾りを揃えるだけでなく、使い込んだ品々に感謝する機会でもあります。

歳の市で求めた注連飾りや門松、鏡餅は12月31日の間に飾るのがならわしです。とはいえ、クリスマスも大切な年中行事となっているので、26日以降に飾るのが一般的となりました。ただし、「二重苦」や「苦待つ(松)」に通じる29日、ひと晩で年が明けるために縁起の悪い「一夜飾り」となる31日は避けるようにしましょう。

道具塚

新しい1年はすがすがしい気持ちで迎えたい。少々くたびれてきた日用品を処分して、歳の市で求めた品を新年に使いはじめる習慣があるのも、そんな願望のあらわれでしょう。
しかし、長年お世話になったものをポイっと捨ててしまうのは気が引けるというもの。これこそ、すべての物事に神様を感じる日本人ならではの心持ちです。

使い古した日用品を納め、これまでともに頑張ってくれたことをねぎらう特別な場所や習慣が各地に存在しています。

氷川神社(東京都港区)や生田神社(兵庫県神戸市)には食事づくりを手助けしてくれた包丁に感謝する「包丁塚」、安井金比羅宮(京都府京都市)には、女性の美を支えてくれた櫛(クシ)に感謝する「櫛塚」、学問の神様である各地の天満宮(天満神社)には、勉強道具に感謝する「筆塚」。ほかにも「眼鏡塚」「人形塚」などがあります。